想い、想われ、振り、振られ。この物語はチンチラ達の恋愛を壮絶に描いたものである。
大好きなマロン♀と同じケージで生活するようになって大興奮のチョコ♂ちゃん。
一目惚れした全ての思いの丈をぶつけようと、マロン♀の上に何度も乗っかろうとするチョコ♂ちゃん。
しかし、チョコ♂ちゃんが体重400gに対してマロン♀は既に550gに近い。
巨大なブラックパールのマロン♀に軽く振り払われているうちにやめとけばいいものの最後には、
「シャーー。しばくぞ!シャーー。耳の穴に指突っこんで、奥歯ガタガタいわしたろか。シャーー。」
と、全身の毛を逆立てて威嚇するマロン♀。
その圧倒的な迫力に、ケージの隅で更に小さくなって怯えるチョコ♂ちゃん。
そういう光景が何度もあって、中々、夫婦になるのって難しいもんだなぁ~と思っていたある日のこと。
いつものように二匹を部屋んぽさせていると、チョコ♂がマロン♀に乗っかってもマロン♀は逃げないのだ。
俺:『やったぞ。ついにやったぞ!マロン♀がチョコ♂を受け入れたぞ!(嬉)チョコ♂よかったね。感動だよ!(号泣)』
すると、我が家の絶対的な主(あるじ)ママゴンが、
『チョコ♂ちゃんはね。マロン♀がケージの真ん中で餌を食べてる時は邪魔にならないようにケージの隅に潜み、マロン♀が砂浴び場にやってくるとすぐに砂浴び場を譲り、マロン♀が疲れているときは一生懸命毛づくろいをし。そうやって夫婦関係を築いてきたんだよ。』
と言いながら、自分の右肩を左の拳でトントンと叩いた。
俺はすぐに我が家の絶対的な主(あるじ)ママゴンの肩を揉みながら、
お・疲・れ・さ・ん
そう返すのだった。
※この物語に登場する人物及びチンチラや関係事象はすべてフィクションであり、実在の人物やチンチラなどとは一切関係ありません。